カテゴリー「練供養、二十五菩薩来迎会」の5件の記事

2017年4月 3日 (月)

2017年1月~3月仏像拝観リスト

1月1日
 除夜の鐘 高幡不動尊(重文の不動三尊にカップ酒のお供えがありました)

1月2日
神奈川県
 川崎市 影向寺(平安後期の薬師三尊、二天像、十二神将)

1月7日
東京都
 〇根津美術館 興福寺・梵天帝釈天の再会
 〇上野・長浜観音ハウス 馬頭観音像
 〇東京国立博物館 櫟野寺展の4回目

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1月8日(初薬師と大山の鉄造不動尊御開帳日)
神奈川県伊勢原市
 日向薬師 初薬師で秘仏の鉈彫り薬師三尊ご開帳。薬師がゆのご接待あり。
 雨降山大山寺 鉄造不動明王像のご開帳(毎月8, 18, 28の日)、本堂左手に平安末期の五大明王あり。

1月15日(初閻魔と増上寺黒本尊のご開帳日)
東京都
 新宿区 太宗寺(閻魔と奪衣婆、三日月不動明王立像など)(奪衣婆は区の民俗文化財)
 文京区 源覚寺(鎌倉時代の閻魔大王像、区の有形文化財)
 港区 増上寺(黒本尊=阿弥陀如来立像のご開帳、毎年1月15日、5月15日および9月15日のみ)

1月28日(初不動)
群馬県
 渋川市 宮田不動尊ご開帳日(国の重要文化財)
 千代田村 光恩寺(県指定文化財、阿弥陀三尊)

2月5日
山梨県
 山梨県立博物館 「浄土への憧憬」展 
 〇阿弥陀如来坐像(隆円寺、南アルプス市指定文化財、41.2センチ、13世紀)
 〇観音菩薩立像(安楽寺、笛吹市指定文化財、146.8センチ、10~11世紀)
 〇飛天2つ(甲斐善光寺、12世紀)
 〇当麻曼荼羅図(北杜市、13世紀)

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笛吹市
 立川不動堂
 〇不動明王像(像高255センチ、桧の一木、11世紀頃と推定)

2月19日
東京都
 東京国立博物館 春日大社展

2月26日
埼玉県
 熊谷市 宝乗寺愛染明王堂
 ご縁日のご開帳と牧野隆夫先生ご講演

 熊谷市 妻沼の歓喜院聖天堂

3月5日
静岡県
 霊山寺(大内観音)春のお祭り。二十八部衆を間近で拝観。
 坂の上薬師堂 平安仏十数駆をガラス越しながら間近で拝観。
 建穂寺 廃寺になり、残された貴重な仏像群をどうやって守っていくのか。管理人の方とたくさんお話しました。
 宝台院 白本尊(安阿弥様)(かわいい!)

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3月13日
東京都 九品仏浄真寺 前回の練供養の記録映像が上映中(時間不足だったので、また来る!)

3月18日
神奈川県
 横浜市 西方寺
  十一面観音(修復完成記念の御開帳)(修復は明古堂)
  本堂の半丈六・定朝様の阿弥陀如来(桜が咲いてて花見もできちゃた)

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3月19日
長野県
 小諸市 十念寺の二十五菩薩来迎会(小諸市民会館「郷土伝統芸能のつどい」にて、短縮版を拝見)

3月20日
長野県
 長野市 善光寺(夜明け頃に到着、お数珠頂戴、お朝事、資料館で安阿弥様の阿弥陀如来像、平安の阿弥陀坐像三尊、薬師坐像、山門に登る)
 善光寺大本願(市指定の伐折羅大将と聖徳太子像(婆藪仙人?)、勝軍地蔵、重文の阿弥陀来迎図)

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3月25日
東京都 九品仏浄真寺 前回の練供養の記録映像(60分)と仏像修理の映像(12分)をフル視聴!

3月26日
東京都
 根津美術館
  〇興福寺東金堂梵天帝釈天の再会
  〇高麗仏画展
 Bunkamuraミュージアム 「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展

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2017年3月22日 (水)

小諸市・十念寺の二十五菩薩来迎会~極楽鳥や不動明王、毘沙門天も登場(後世に伝えたい!)~

浅間山をのぞむ長野県小諸市平原地区、十念寺(時宗)には、二十五菩薩来迎会(らいごうえ)が伝わります。

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(春霞の浅間山、かろうじて見えますか~?)

小諸市の「郷土伝統芸能のつどい」というイベント(会場は小諸市民会館)で、この来迎会の短縮版が披露されると聞き、出かけてきました。

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「西の當麻寺、東の十念寺」。このイベントで、そのような紹介がなされました。
十念寺の来迎会は奈良県・當麻寺と並ぶ、東西の双璧だというのです。

しかしながら、十念寺は戦後(1949年)の火災でお堂が消失。幸いにも菩薩面は焼けずに残りましたが、来迎橋をかけた本格的な練り歩きはできなくなったそうです。

来迎会保存会はこの貴重な伝統を守ろうと、年に一回(毎年3月27日)、お面を出して念仏講を行うほか、平成23年には上田市小泉の大日堂のご開帳時に出向いて、練供養を行ったそうです 。

市や保存会に話を伺う中でわかったのですが、実際に十念寺の菩薩さまが練り歩く機会は、本当に限られているようです。
小泉大日堂のご開帳は半開帳を含め、30年に一度。小諸市の「郷土伝統芸能のつどい」は5年ごとの開催です。 市民会館のイベントへの出演とはいえ、この機会が大変貴重なものであることがわかります。

今回披露された十念寺の練供養は、以下の構成になっていました。

1) 極楽鳥の舞

2) 天人の舞

3) 二十五菩薩の登場(先頭が不動明王、最後尾が毘沙門天。阿弥陀も菩薩の列に)

4) 観音勢至が行者を引接

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さて、これまで見てきた他の二十五菩薩来迎会と比較しつつ、十念寺の来迎会の特徴をみていきます。

○極楽鳥と天人の舞で浄土を表す

まず、二十五菩薩がお出ましになる前に、極楽の鳥二羽が登場し、それぞれ対をなす動きで舞いながら練ります。 続いて、天人が二人、やはり対をなす動きで舞いながら練ります。 極楽鳥と天人の動きには、静かでリズミカルな火炎太鼓の伴奏が伴います。 これは二十五菩薩の登場の前に、極楽浄土を再現したもので、十念寺独自のものだそうです。 極楽鳥の衣装と機敏な動きに胸が高鳴ります! 実は私、迦陵頻伽のファンなのです。そういえば、大阪・大念仏寺の練供養では、迦陵頻伽の舞がありますね。

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○不動明王と毘沙門天が登場!

極楽の鳥と天人が去った舞台に、ついに二十五菩薩が登場します。 多くの練供養では、観音勢至が先頭かと思うのですが、なんと、十念寺では、不動明王さまが先頭に立って歩きます! 大きな火炎光背を背負い、剣を握りしめていました。驚くのはそれだけではありません。二十五菩薩の最後には毘沙門天さまが登場します。 不動明王と毘沙門天が菩薩の警護役を務めているのでしょうか。大変珍しいと思います。

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○阿弥陀如来さまも登場! 

二十五菩薩の列の真ん中辺りに、放射線状の光背を背負い、菩薩さまとは異なる装束の方が登場されます。それが阿弥陀如来さまです。このように人が阿弥陀さま演じるのは、岡山・弘法寺の迎講阿弥陀如来をのぞき、あまり例がないと思います。

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○菩薩に付き添い人なし

菩薩さまだけではなく、極楽鳥も天人もすべてに付き添い人がいませんでした。 お面をかぶると視界が悪くなるので、當麻寺を含め、他の練供養では、必ず誰かが菩薩さまの手を引いて助けます。しかし、十念寺では、そんな過保護なことはしません。みんな自力で、しかも身体を左右にふる動きを加えながら練り歩くのです!  

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○来迎引接を受けるのは行者

ステージの中央に置かれた小さな行者の像。それが来迎されます。當麻寺での中将姫様、美作誕生寺での法然上人ご父母像にあたるものです。

阿弥陀さまと菩薩たちが見守るなか、観音勢至が前に出て、独特の動きで行者を観音の持つ蓮台に載せます。

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この日は、この引接のシーンをもって終了となりました。

通常だと1時間20分かかるそうですが、今回は35分間のショートバージョンでした。

それでも、十念寺の練供養の素晴らしさと独自性はとてもよく伝わりました。感動しました。

「西の當麻寺、東の十念寺」という誇り高いフレーズも納得できました。

これから本格的に復興させて、後世まで末永く受け継いでほしい...。そう願っています。

十念寺は私にとって謎ばかりのお寺です。 小諸市平原地区まで歩いてみると、浅間山を見上げる静かな場所でした。 どんなお寺か一目拝見したかったのですが、残念ながら、Googleマップで住所検索しても出てこず、十念寺まではたどり着けませんでした。

私の調査不足もあるのかもしれませんが、十念寺の練供養についてネットで調べてもほとんど出てきません。いつどこで行われているのかも分からず、私にとっては「幻の来迎会」でした。練供養ファンにもあまり知られていないのではないでしょうか?

私は思うのです。 これを幻で終わらせてよいのでしょうか?

このような独自の練供養が信濃に残っていること。それをもっと多くの人に知ってもらえればと願いつつ、私はこれを書きました。

今回は、昨年末に市役所にメールで問い合わせたことがきっかけとなり、市役所経由で保存会の方に連絡できました。やっとのことで、「郷土伝統芸能のつどい」にたどり着けたのです。

書きながら、自分の情報不足、勉強不足を痛感しています。もし詳しい方がいらしたら、教えていただきたいです。

最後に一つだけ、二十五菩薩来迎会は「芸能」ではありません。美しい浄土系仏教の芸術だと思います。

※ビデオ撮影に夢中で、ろくな写真が撮れていません…。それだけが残念です。 写真よりずっと本物が素晴らしいです!

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2016年10月25日 (火)

京都・即成院の阿弥陀如来二十五菩薩お練り供養~繊細でかわいらしい菩薩様たち~

 京都、即成院の「阿弥陀如来二十五菩薩お練り供養大法会」に行ってきました。

 阿弥陀来迎練供養にすっかり魅了された私。今回が8か寺目、合計9回目の練供養への出動となりました。

 「練供養? 来迎会? 何のこと?」とよく聞かれるのですが、一言で説明するのは難しいです。私が追いかけている練供養は、菩薩の衣装と面を身につけた人々が、極楽往生の一場面を演じるものです。荘厳できらびやかな祈りの儀式に魅了されています。

 今回訪れた即成院は京都駅の南東、泉涌寺の塔頭です。本堂には、阿弥陀如来と二十五菩薩の大きな坐像が堂々とまつられています。二十五菩薩は楽器を手に持ち、極楽浄土の音楽を奏でておられます。

 即成院の練供養が厳修されるのは毎年10月の第3日曜日。練供養は春開催のものが多く、秋は珍しいと言えます。



 境内には、この日のために、大きな橋がかけられます。阿弥陀如来をまつる本堂を極楽浄土、地蔵堂を娑婆と見立てて、その間を橋でつなぐのです。長さ60メートルのこの来迎橋が練供養の主な舞台となります。

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 練供養の列がスタートするのは午後1時。まずは修験衆と稚児が来迎橋を2往復し、阿弥陀さまにお花と珍味を捧げます。練供養のBGMは3人の楽人による雅楽の生演奏。三種類の吹物による生演奏を西方極楽浄土の調べと思って聴き入ります。ときどき修験衆のほら貝も混じってまして、そこで即成院が今は真言宗であることを実感します。



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 3往復目に満を持して二十五菩薩が登場します。同時に、空っぽの御輿も本堂を出発し、地蔵堂で金色の筒を載せて、本堂へと運びます。


 先頭は大地蔵菩薩。そのすぐ後ろを観音菩薩と勢至菩薩が練り歩きます。観音菩薩は両手に蓮台を持ち、勢至菩薩は合掌し、それぞれが両手を交互に左右に振る独特の動き方で練り歩きます。



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 動き方は奈良・當麻寺の来迎会の観音勢至とほぼ同じですが、即成院の練供養では、中の人が女性なためか、非常にかわいらしく繊細な動きであることが特徴です。當麻寺のような男らしい強い動きではありません。岡山の弘法寺の練供養のときも、中将姫様をお迎えする菩薩の静かな動きに胸が熱くなりましたが、それと同じような感動がこみ上げてきます。

 最後に、二十五菩薩が本堂に戻ると、堂内で観音勢至普賢の三菩薩が極楽の舞を奉納されます。即成院和讃講の方々による和讃に合わせた、かわいらしくも感動的な舞いです。舞ながら、金色の筒を阿弥陀さまの面前にお供えします。



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 練供養というと、當麻寺の中将姫様や岡山・誕生寺の法然上人ご父母、加古川・教信寺の教信上人のように、具体的に誰かの像が運ばれて引接されるイメージなのですが、即成院ではそれが金色の筒だったのが印象的であり、私にとっては謎でした。今後の勉強の課題です。

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 なお、練供養当日に限り、本堂内の参拝には1000円の特別参拝券が必要です。これがなくても、境内には入れるので、来迎橋を渡る菩薩様を近くで拝むことは可能です。

 この日、NHK「美の壺」の撮影が入っていました。来月25日に放送予定だとか。どのように映像がまとめられるのか楽しみです。

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2016年5月 4日 (水)

岡山県瀬戸内市 弘法寺の踟供養(阿弥陀来迎会)

岡山県瀬戸内市牛窓の弘法寺(こうぼうじ)で、毎年5月5日、 阿弥陀如来来迎の練供養が行われています。(弘法寺では、踟供養と表記されているので、ここでもその表記を使います)

昨年、こちらに参拝し、本当に感動しました。

こちらのポイントは次のとおり。
○木造の阿弥陀如来像の中に、地元出身の男性が入り、お迎えしてくださる。いわゆる迎講阿弥陀如来で、現存するのはおそらくここだけ。
○中将姫様をお迎えするときの菩薩さまの動きがとても繊細でエレガント。「動の當麻寺」に対し、「静の弘法寺」と呼ばれるのは、このためか?
○火災で一時断絶されていた踟供養を関信子先生の研究と尽力、地元の方々の熱い意志で再興された!
○登場される菩薩さまは6尊の観音さまと2尊の地蔵さま。いわゆる二十五菩薩のラインナップではない。
○塔頭の遍明院と東寿院が毎年交代で主な責任を負う関係で、出発寺院が毎年交代される。今年は下の東寿院から坂の上の遍明院へとのぼるコース。

関先生が書かれた論文より、現在の踟供養の式次第について書かれたページを貼っておきます。

今年、踟供養に行かれる方、お気をつけて!

なにより、毎年、この素晴らしい伝統をお守りされている地元のみな様に尊敬と感謝を申し上げます!

追記 遍明院には平安時代の穏やかな五智如来、東寿院には快慶阿弥陀如来像もおられます。ぜひ拝観を!


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2016年4月18日 (月)

美作誕生寺の二十五菩薩練供養(来迎会)

日本三大練供養の一つ、岡山県、美作誕生寺の二十五菩薩練供養に行ってきました。

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二十五菩薩練供養とは、阿弥陀如来が二十五菩薩を従えて臨終者を来迎するさまを演じるものです。人が菩薩さまに扮装し、いわゆる「お迎え」の場面を見せてくれるのです。
もともと練供養は、平安時代、浄土信仰の高まりとともに教化のために始められたそうです。その頃は来迎会(らいごうえ)と呼ばれていたのですが、江戸時代に庶民の間に広まるにつれ娯楽性が加味され、練供養と呼ばれるようになったそうです。今では、この二つの呼び名がどちらも使われているようです。

最も有名なのが、中将姫で有名な奈良県當麻寺の練供養で、1000年以上も絶えることなく続けられています。當麻寺と岡山県瀬戸内市の弘法寺(こうぼうじ)の練供養とあわせて、三大練供養とよばれています。どちらも年に一回、春の決まった日に行われています。

三つともに拝見しましたが、それぞれ歴史もやり方も違います。どれもすばらしいです。

誕生寺では、練供養の行列は重文の本堂(御影堂)を出発し、境内を出て参道を歩きます。300メートル離れた娑婆堂(地蔵堂)まで行き、そこで臨終者をお迎えして、また本堂に戻ってくるというルートです。

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ここ誕生寺の一番の特徴は、来迎される対象(臨終者)かと思います。當麻寺と弘法寺では、中将姫が阿弥陀さまに来迎されるのに対し、誕生寺では、浄土宗開祖、法然上人のご両親が毎年交代で来迎されます。今年はお母様が来迎されました。

誕生寺は法然上人ご生誕の地に立つ古刹で、法然二十五霊場の第一番札所でもあります。来迎者が法然上人のご両親というのは、このお寺にふさわしく、感動します。

誕生寺の練供養はもっと地味かと思っていたのですが、華やかでした。まず、菩薩さまのお面が小顔サイズで、着物もおしゃれです。安室奈美恵ちゃんが菩薩さまになったら、さぞかし素敵だろうと一瞬頭をよぎったほどです。特に、先頭を歩く地蔵菩薩さまは赤い帽子に赤いお召し物がとてもかわいらしかったので、私が作ったコラージュ写真でご確認くださいw 浄土宗の他の寺院からの応援もかなり手厚いようで、参列する僧侶の数も多かったです。

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臨終のとき阿弥陀さまが雲に乗ってお迎えに来てくださる。そう信じるための手段が練供養なのだと思います。そして、そう信じることで、日々を強く生きていけるのだと私は思います。

晴天の下、尊敬する法然上人ゆかりのお寺で来迎会を参拝できたことに感謝します。

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