カテゴリー「仏像全般」の41件の記事

2018年2月12日 (月)

【ごあいさつ】はてなブログに引っ越します!

こちらの「ココログ」から「はてなブログ」にお引っ越しすることにいたしました。新しいURLはこちらです。

「ぶつぞうな日々Part III」
http://butsuzodiary.hateblo.jp/

10年以上ココログでお世話になったので、愛着はあるのですが、写真の取り扱いなどが面倒で、無駄に手間暇がかかるのが悩みでした。

はてなブログ「ぶつぞうな日々Part III」でも、ひたすらに仏像への愛を叫んでいきます。

仏像をつくられた皆様、
仏像に祈り護られてきた皆様、
仏像をこれまでお守りしてこられた皆様。
そんな皆様を尊敬しています。

私の「ぶつぞうな日々」はこれからも続きます! マイペースで、でも、ひたすら熱く感動をお伝えできれば!
未熟者ですが、今度ともどうぞよろしくお願いします。

2018年2月12日

はらぺこヒヨドリ

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2017年4月 3日 (月)

2017年1月~3月仏像拝観リスト

1月1日
 除夜の鐘 高幡不動尊(重文の不動三尊にカップ酒のお供えがありました)

1月2日
神奈川県
 川崎市 影向寺(平安後期の薬師三尊、二天像、十二神将)

1月7日
東京都
 〇根津美術館 興福寺・梵天帝釈天の再会
 〇上野・長浜観音ハウス 馬頭観音像
 〇東京国立博物館 櫟野寺展の4回目

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1月8日(初薬師と大山の鉄造不動尊御開帳日)
神奈川県伊勢原市
 日向薬師 初薬師で秘仏の鉈彫り薬師三尊ご開帳。薬師がゆのご接待あり。
 雨降山大山寺 鉄造不動明王像のご開帳(毎月8, 18, 28の日)、本堂左手に平安末期の五大明王あり。

1月15日(初閻魔と増上寺黒本尊のご開帳日)
東京都
 新宿区 太宗寺(閻魔と奪衣婆、三日月不動明王立像など)(奪衣婆は区の民俗文化財)
 文京区 源覚寺(鎌倉時代の閻魔大王像、区の有形文化財)
 港区 増上寺(黒本尊=阿弥陀如来立像のご開帳、毎年1月15日、5月15日および9月15日のみ)

1月28日(初不動)
群馬県
 渋川市 宮田不動尊ご開帳日(国の重要文化財)
 千代田村 光恩寺(県指定文化財、阿弥陀三尊)

2月5日
山梨県
 山梨県立博物館 「浄土への憧憬」展 
 〇阿弥陀如来坐像(隆円寺、南アルプス市指定文化財、41.2センチ、13世紀)
 〇観音菩薩立像(安楽寺、笛吹市指定文化財、146.8センチ、10~11世紀)
 〇飛天2つ(甲斐善光寺、12世紀)
 〇当麻曼荼羅図(北杜市、13世紀)

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笛吹市
 立川不動堂
 〇不動明王像(像高255センチ、桧の一木、11世紀頃と推定)

2月19日
東京都
 東京国立博物館 春日大社展

2月26日
埼玉県
 熊谷市 宝乗寺愛染明王堂
 ご縁日のご開帳と牧野隆夫先生ご講演

 熊谷市 妻沼の歓喜院聖天堂

3月5日
静岡県
 霊山寺(大内観音)春のお祭り。二十八部衆を間近で拝観。
 坂の上薬師堂 平安仏十数駆をガラス越しながら間近で拝観。
 建穂寺 廃寺になり、残された貴重な仏像群をどうやって守っていくのか。管理人の方とたくさんお話しました。
 宝台院 白本尊(安阿弥様)(かわいい!)

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3月13日
東京都 九品仏浄真寺 前回の練供養の記録映像が上映中(時間不足だったので、また来る!)

3月18日
神奈川県
 横浜市 西方寺
  十一面観音(修復完成記念の御開帳)(修復は明古堂)
  本堂の半丈六・定朝様の阿弥陀如来(桜が咲いてて花見もできちゃた)

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3月19日
長野県
 小諸市 十念寺の二十五菩薩来迎会(小諸市民会館「郷土伝統芸能のつどい」にて、短縮版を拝見)

3月20日
長野県
 長野市 善光寺(夜明け頃に到着、お数珠頂戴、お朝事、資料館で安阿弥様の阿弥陀如来像、平安の阿弥陀坐像三尊、薬師坐像、山門に登る)
 善光寺大本願(市指定の伐折羅大将と聖徳太子像(婆藪仙人?)、勝軍地蔵、重文の阿弥陀来迎図)

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3月25日
東京都 九品仏浄真寺 前回の練供養の記録映像(60分)と仏像修理の映像(12分)をフル視聴!

3月26日
東京都
 根津美術館
  〇興福寺東金堂梵天帝釈天の再会
  〇高麗仏画展
 Bunkamuraミュージアム 「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展

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2017年1月29日 (日)

光恩寺阿弥陀さまへは赤岩の渡し船で! 川を渡ると極楽浄土です!

光恩寺さままでの行き方があまりに素晴らしすぎたので、ご紹介します。

「わたし」ってご存じですか?  川の両岸をつなぐ「渡し船」のことです。つまり、橋がなかなか架けられなかった昔の交通手段です。

光恩寺さまのすぐそばを流れる利根川でも、古くから渡しは行われており、上杉謙信の文献に記述があるそうです。江戸時代の水運の発達とともに渡し船は栄えましたが、近代に入り橋が普及すると衰退しました。

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ですが、光恩寺さまから徒歩数分のところに、「赤岩の渡し」が残っているのです。しかも、乗船場所まで、熊谷駅からバスが一時間に一本程度出ています。今回、光恩寺さまのお参りを計画するまで、現役の渡しがあるとは知りませんでした。Googleマップには乗船場所の記載があるものの、ルート検索には出てきません(2017年1月現在)。

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赤岩の渡しは”県道”の一部として、群馬県千代田町が管理運営を行っています。県道という扱いのため、無料で通行できます。

旅人にとっては楽しすぎる乗り物なのですが、生活する人には少し面倒なのでしょう。利用者は少ないようです。少し遠回りすれば近くに橋があり、車で簡単に往来ができます。

私が行ったときも、利用者は私一人のみ。船の運転手とサポートの男性も手持ち無沙汰な感じでした。もっと観光資源に活用できるとよいのかなと思います!

私が乗船したとき、青空のもと、冬の澄んだ空気が川面に反射し、このうえなく気持ち良かったです。

さらに、古寺巡礼者の私には、此岸と彼岸を結ぶ「渡し」に感じられました! 光恩寺さまへの巡礼手段として、こんなに素晴らしいものはないのではないでしょうか!?

【移動方法のまとめ】

1)  熊谷駅前から葛和田行きのバスに乗り、終点の葛和田で下車。30分程で到着します。

2) バス停の横に小屋があり、その前にこんな黄色い旗があります。
   
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3) この黄色い旗を校旗掲揚みたいな感じでスルスルと上げます。


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4) すると、群馬県側に待機している渡し船がこちら側に迎えに来てくれます。(群馬県の運営なので、船は基本的に群馬県側で待機しています)
これから拝観する阿弥陀さまが彼岸からお迎えに来てくださるようにしか思えませんw

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5) 乗船して川を渡ります。利根川は深くて広い!

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6) 乗船時間はわずか数分。左岸に到着すると、光恩寺さままで徒歩ですぐです。



光恩寺の阿弥陀さま!

Photo




お参りを終えて、再び船に乗り込むと、船は西日に向かって滑り出しました。阿弥陀三尊を拝観した直後にこんな経験をしたら、もう、西方浄土に向かうようにしか思えなくなります! (行きも帰りも向かう先は阿弥陀さまの極楽浄土ということになりますね…!)

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いろいろな意味で楽しい船の旅。阿弥陀さま拝観にはぜひとも赤岩の渡しで!!!



※赤岩の渡しについては→千代田町サイト(赤岩渡船)

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2016年12月31日 (土)

仏像拝観リスト2016年7月~9月

7月2日 ほほえみの御仏展 3回目
7月30日 
○びわ湖長浜KANNON HOUSE 
長浜市川道町 尊住(そんじゅ)院 平安12c 53cm 
あどけないお姿に泣いた。
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○観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち-
黒田観音のおじさんっぷりがすごすぎた

8月2日
滋賀県大津市
○石山寺ご本尊如意輪観音ご開帳、旧本尊断片、胎内仏、蔵王権現ご心木、快慶大日如来、毘沙門天
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○三井寺 清涼寺式釈迦如来、他
○西教寺 ご本尊阿弥陀如来坐像、石仏二十五菩薩像
京都
○京都国立博物館
http://www.kyohaku.go.jp/jp/theme/floor1_2/f1_2_koremade/2016_tango.html
京丹後市縁城寺の本尊、千手観音立像(重要文化財・平安時代)
日本の彫刻
○浄土宗 阿弥陀如来立像(行快)
○知恩院 阿弥陀如来立像(法然上人念持仏)
○三十三間堂

8月3日
奈良
奈良町
○興善寺 阿弥陀如来立像、胎内より法然上人のご真筆の書 
○法徳寺 阿弥陀如来立像
○十輪院 石仏地蔵菩薩、五劫思惟阿弥陀如来坐像
○福智院 丈六地蔵菩薩坐像
○奈良国立博物館
生誕800年記念特別展 忍性~救済に捧げた生涯~
・般若寺の文殊菩薩
・旧額安寺の虚空蔵菩薩像、
・鎌倉極楽寺の清涼寺式釈迦如来、十大弟子、説法印釈迦如来、茨城県福泉寺の清涼寺式釈迦如来像

○穀雨
○ことのまあかり かき氷

8月4日(海外の方のご案内)
奈良
近鉄奈良駅前 行基像
東大寺大仏殿
柿の葉すし ゐざさ寿司東大寺店
奈良国立博物館 常設
興福寺
ことのまあかり shaved ice

8月5日(海外の方ご案内)
○安倍神社
○西陣会館
○泉桶寺、即成院、戒光寺、雲龍院、今熊野観音寺
○清水寺
観光地を避けて、静かな泉桶寺塔頭をご案内。

8月6日(海外の方ご案内)
○伏見稲荷(初!)
○宇治平等院
○宇治でゆばと抹茶かき氷

8月7日
○東大寺
大仏殿~大仏さまお身拭い~
不動堂 
念仏堂(地蔵菩薩坐像)
法華堂
二月堂
四月堂
指図堂
東大寺ミュージアム
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○五劫院
ご本尊五劫思惟阿弥陀如来坐像
石仏見返り地蔵菩薩立像

○法隆寺(地蔵菩薩立像)
○穀雨さん
○猿沢池

8月8日
○京田辺市 禅定寺 千手観音(奥様にご案内いただく)
○京田辺市 観音寺 国宝 十一面観音
○城陽市 極楽寺 行快作阿弥陀如来立像
(納入文書の結縁者欄、物故者ののところに快慶の名前があり、快慶の没年を推定できる)

京都
○法然上人霊場第19番 法然寺
○法然上人霊場第17番 二尊院
○清涼寺(釈迦如来立像が8日でご開扉)

9月11日 松島瑞巌寺と伊達政宗展(三井記念美術館)瑞巌寺五大堂の五大明王

9月17日 
○国宝でよみとく神仏のすがた(金沢文庫) 
○びわ湖長浜KANNON HOUSE
湖北町山本 常楽寺 聖観音立像(市指定、平安12C、101.8cm)
○櫟野寺展(トーハク)
○常設11室(トーハク)
奈良當麻寺の十一面観音、大阪歓心寺の観音さま、埼玉西光院の阿弥陀三尊、千葉小松寺の観音坐像など。どれも写真不可でここに掲載できないのが残念だが、相当に重厚なラインナップであることは確か。

9月22日(木)
三重県伊勢市
○法然上人霊場第12番 欣浄寺
○太江寺 千手観音坐像(鎌倉時代) 

9月23日(金)
○広隆寺
うん十年ぶりの広隆寺、すごすぎた! 弥勒菩薩だけではない、濃密な仏像空間。なかでも、天平の不空羂索観音に目を奪われた。衣のうねうねひらひら模様は鎌倉初期の慶派が真似たものに違いない! 平安時代を飛び越した温故知新っぷりに心が躍る!
○月輪寺 登山参拝。法然巡礼

9月24日(土)

○大津市北保町自治会集会所 鉄造弥勒如来坐像、関西で珍しい鉄仏
○石山寺 如意輪観音ご開帳、胎内仏4体、旧本尊断片、多宝塔快慶大日如来 二回目だけど素晴らしいすぎ、ほれてまう
○橘堂 三面六臂観音立像
○川原観音堂 十一面観音
9世紀だか12世紀だか制作年代不詳。
○正楽寺 阿弥陀三尊
藤原風の観音勢至が素晴らしすぎ
○興福寺 五智如来
○円常寺 木造阿弥陀如来立像
正真正銘の快慶晩年の作


9月25日(日)
○近江八幡市 冷泉寺 千手観音(平安重文)
○浄厳院 丈六阿弥陀如来坐像 
○小田神社(十王町奉賛会) 大日如来坐像
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○小浜大日堂 大日・薬師坐像
○仏性寺 丈六阿弥陀如来坐像
○仏法寺 聖観音立像 大日如来坐像
○武道天神社(旧:真光寺) 聖観音坐像 鎌倉
○正福寺 平安観音さま林立

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2016年12月15日 (木)

『香薬師像の右手』感想とまとめ

貴田正子『香薬師像の右手 失われたみほとけの行方』を読みました。なかなか奥深いミステリーなので、自分の理解のためにまとめつつ、感想を書きました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


新薬師寺の香薬師如来像は三度の盗難に遭い、もう70年余り行方知らずだ。最近、この像の右手首から先だけが発見され、その経緯をまとめたのがこの本である。

綿密で地道な取材ぶりに頭が下がる。

しかし、右手が見つかった経緯だけを手っ取り早く知ろうとして読むと、少しつらい。枝葉末節があちらこちらに太く広がっている。どれも感動的な話だ。しかし、右手をめぐる謎解きは複雑でわかりにくい。

しかも、右手は"発見"されたとはいえ、”大人の事情"はオブラートに包まれたまま。最後の肝け心なところで、修験者である著者の夫の自慢話が出てきて、煙に巻かれた感が否めない。前半の香薬師像の由緒に関わる部分が感動的なのだけに残念だ。


少し愚痴ってしまった...。しかし、落ち着いて考えると、知る人ぞ知る存在だった右手があやうく記憶の闇に消え去る寸前、著者が光を当ててくれたと言えるだろう! 


そんな香薬師像の由緒とこれまでの経緯を著書から拾い出し、以下のとおり、まとめてみた。(読解力不足で間違いがあったら、ご指摘ください。訂正します)

※写真は2枚とも、この本に掲載のものです。

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香薬師像の由緒


新薬師寺の寺伝によると、白鳳を代表する香薬師像は、光明皇后の念持仏だった。聖武天皇の病気平癒を願った光明皇后が、天平19年(西暦747年)、新薬師寺を創建。丈六七仏薬師が横一列に並ぶ巨大な金堂の中尊に胎内仏として、香薬師像がおさめられたと伝わる。つまり、香薬師像は現在のご本尊の薬師坐像(平安初期)よりも古く、新薬師寺の根幹をなす大変重要な仏様であることが推察できる。

創建からわずか33年後の宝亀11年(780年)、新薬師寺の巨大伽藍が雷による火災で消失してしまう。木造の七仏薬師も焼けてしまうのだが、銅像の香薬師像だけは胎内から救い出され、それ以来、新薬師寺で大切にお守りされてきた。しかし…。


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三度の盗難

明治23年=1回目の盗難


ずっと時代が下った明治23年。香薬師像が盗まれてしまう。このときは、ほどなく近くの神社で発見される。右手首から先が切り離された状態で打ち捨てられていたそうだ。右手をつなぐ修理が行われ、お像は再び新薬師寺に安置される。

明治44年=2回目の盗難

ところが、明治44年、香薬師像は再び窃盗犯の手に落ちてしまう。右手と両足が切断された痛ましいお姿ではあったが、大阪・住吉の田畑で発見された。右手は再度、お像に接続され、見つからなかった両足は木製のものを作って補われた。


昭和17年、竹林薫風と水島弘一がそれぞれ、お像を石膏で型取りする。この頃までに右手は古傷のためか脱落していたようで、三度目の盗難の前に右手だけが盗まれることがあったため、水島が銅で右手と両足を補作し、お像本体に取りつけた。盗まれた右手は近くに捨てられているのが見つかり、その後、お寺で保管されていたらしい。

昭和18年=3回目の盗難

昭和18年、香薬師像が三度目の盗難に遭う。肝心なのは、このとき、元々の右手部分は盗まれず、寺に残されたという点だ。しかも、現在の新薬師寺住職にはその事実が伝えられていなかった。香薬師像は今も見つかっていない。

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右手の行方


昭和25年?=右手が佐佐木家へ

昭和25年、文芸春秋の佐佐木茂策が、水島の型取りした石膏を使って、香薬師のコピー像3体を自費制作。新たに鋳造された1体は新薬師寺に、1体は奈良の観音院に譲り、1体は自らの手元に置いて、亡き妻、佐佐木ふさの供養とした。

どうやら、この際に、右手が佐佐木に渡ったらしいのだか、その辺りは明らかになっていない。

佐佐木は右手の土台を作り、丁寧に木箱におさめて保管していた。右手の価値を理解し、かつ財力のある人でなければできないことだと私は思う。


昭和37年=久野・水野両氏が右手を目撃

昭和37年2月、佐佐木家に仏像調査に訪れた久野健と水野敬三郎が、佐佐木の後妻から右手を見せてもらう。この時に水野が撮影した写真が最近になって、右手の身元確認に大きな役割を果たすことになるのだが、右手の存在はこの後、口外されることなく、50年余りの年月が過ぎ去ってしまう。

平成12年=右手が佐佐木家から東慶寺へ
平成27年=右手が東慶寺から新薬師寺へ

平成27年5月、著者と新薬師寺住職が鎌倉市の東慶寺を訪れ、右手が保管されていることを確認。平成12年、佐佐木茂策の墓のある東慶寺に遺族が預けたのだという。あくまでも東慶寺は預かっているだけで、所有者は佐佐木家なので、東慶寺は佐佐木家の間で念書を交わすことを希望。27年10月になって、遂に右手が新薬師寺にお戻りになった。


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以上、簡単にまとめたつもりだが、なかなかややこしい。香薬師像とその右手が複雑な歴史をたどったことがわかる。

なお、佐佐木茂策が大切にした香薬師コピー像は現在、東慶寺に譲渡されており、私も東慶寺で拝したことがある。観音院に渡ったコピー像は三共製薬会長を経て、今は奈良国立博物館に。数年前の『白鳳』展で拝んだ方も多いだろう。


最後に、いまだ解けない謎―――香薬師如来さまは今どこにおられるのだろう? この疑問を宇宙の闇に投げかけ、そっと溜息をつく。


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2016年12月 4日 (日)

二十五菩薩さまをお守りするには

某市の文化財に指定されている江戸時代の阿弥陀如来立像と二十五菩薩像を拝観させていただきました。

3メートル強の阿弥陀さまを中心に、二十五菩薩さまが内陣の壁面に並ぶさまは、まさに立体来迎図そのもの。極楽浄土から舞い降りる群像を前した感動は言葉になりません。

しかし、心配な話も伺いました。先日の地震で、勢至菩薩さまの御足が壊れたのだそうです。仏具屋さんと思われる業者さんが入ってきて、住職さまと相談をされていました。

これだけの群像をお檀家さまだけでお守りするのは相当なご苦労だと思います。基本的に一般の人の拝観を受け付けておらず、外部に写真の公開もしておられないと伺いました。

公開すれば文化的価値も理解されるようになり、より多くの支援が受けられるようになるようにも思うのですが…。現実はそんなに簡単なものではないのでしょうか?

これからも守り続けていくには適切な修理が必要でしょう。なんとかお助けする方法はないものでしょうか? 勝手に心配しています。


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2016年7月13日 (水)

2016年上半期仏像拝観リスト

1日
東京日野市 安養寺 毘沙門天を拝観

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1月2日
川崎市 影向寺 薬師三尊、二天、十二神将

1月10日
サントリー美術館 「水―信仰のかたち」展
 パラミタミュージアム所蔵 長快 長谷寺式十一面観音立像
 宇賀神像 弁財天(トーハクでよく見る) 横浜瀬戸神社の神像など

1月31日 北口本宮富士浅間神社

2月6日
鎌倉
 覚園寺
 鎌倉国宝館 重文「養命寺 薬師如来坐像」 修理後初公開慶派らしいみずみずしさ
 長谷寺
 高徳院(修理中の勇姿!)

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2月13日
京都
 六道珍皇寺 薬師如来坐像、閻魔大王像、小野篁三尊像 熊野歓心十界図の絵解き
百万遍知恩寺

相国寺
 養源院 慶派の毘沙門天立像
 相国寺 法堂、方丈
 長徳院
妙心寺 法堂と明智風呂
法金剛院(丈六阿弥陀)
奈良
東大寺
 なら瑠璃絵
 夜間特別拝観(観相窓から大仏さま)南大門

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奈良国立博物館
 特集陳列 お水取り/銅造伊豆山権現像修理記念 伊豆山神社の歴史と美術
興福寺 夜間特別拝観 国宝館
穀雨でばんごはん

2月14日
大阪 ハルカス美術館 長谷寺展(難陀龍王)
奈良 長谷寺 だだおし

3月20日
東博 常設(浄瑠璃寺の広目天、十二神将)
 庭園解放 桜缶バッチ
都美ボッティチェリ展
映画Sundy's Super Team

3月27日
秦野市 矢名薬師(仁王さま)

4月2日
厚木市金剛寺 阿弥陀如来坐像(重文)
定朝様の美しいお姿にうっとり。
県指定の地蔵菩薩坐像は非公開。

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4月3日
平塚市 金目観音(お花見ささやかに)

4月4日
目黒区 九品仏淨真寺 修理から戻られたばかりの阿弥陀さま(中品中生)を拝観。 これから修理のため搬出される中品上生の阿弥陀さまが包帯ぐるぐるのお姿も見てしまった。

4月16日
香川県高松市
正花寺(重文菩薩立像)
仏生山法然寺(立体涅槃図)
屋島寺(重文千手観音)
弘憲寺(県指定地蔵菩薩立像)
香川県立ミュージアム(聖通寺千手観音のみの特別展示)

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4月17日
岡山県
倉敷市 
安養寺
 平安の毘沙門天 の群像 誕生釈迦仏 阿弥陀三尊立像

迎叡の碑
美作誕生寺 二十五菩薩練供養(会式)
法然上人坐像(本堂)
阿弥陀如来立像(宝物館)

4月23日~24日 会津

○中田観音(弘安寺) 銅造十一面観音 脇侍不動明王地蔵菩薩立像 野口英世
 曹洞宗 会津美里町
○法用寺 仁王、十一面観音 天台宗 会津美里町
○観音寺 十一面観音(中田観音の姉妹仏) 会津若松市
○明光寺 十一面観音(鉈彫り)

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○願成寺 阿弥陀如来 浄土宗 喜多方市
○太用寺 木造釈迦如来立像 会津美里町
○中善寺 薬師如来(super雅な定朝様) 会津美里町
○勝福寺 不動明王、毘沙門天立像 喜多方市
○上宇内薬師 薬師如来 会津美里町
○恵隆寺 千手観音(立木観音) 会津美里町
○勝常寺 薬師如来・日光月光 湯川村

5月4日
東京国立博物館
「平成28年新指定国宝重要文化財」展 
 生駒の制多迦童子にやっとお会いできた! 叡尊上人坐像
特別展「黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-」

5月5日
信州さらしな長谷寺 秘仏十一面観音ご開帳 地蔵菩薩立像
諏訪 仏法隆生寺 普賢菩薩像ご開帳、運慶不動明王立像


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5月29日
鎌倉
淨光明寺
国宝館「禅の心とかたち-総持寺の至宝-」
極楽寺(収蔵庫)

6月18日
東京
 護国寺 如意輪観音ご開帳
半田カメラ写真展

6月23日 
東京国立博物館
「ほほえみの御仏」展

6月25日

潮来市

○大生山延命院観世音寺 観音菩薩立像(県指定)

○二本松寺 薬師如来像(県指定)元三大師像、降魔大師

○長勝寺(妙心寺派) 阿弥陀如来(県指定)摩訶迦葉尊者像(県指定)毘沙門天立像(市指定)

行方市

○西蓮寺(天台宗) 薬師如来(県指定)

鉾田市

○福泉寺(妙心寺派) 釈迦如来立像(国重文)

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千葉県香取市

○諏訪山荘厳寺(豊山派) 十一面観音(県指定)香取神宮のご神体

6月29日
「ほほえみの御仏」2回目


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2016年5月 4日 (水)

岡山県瀬戸内市 弘法寺の踟供養(阿弥陀来迎会)

岡山県瀬戸内市牛窓の弘法寺(ぐほうじ)で、毎年5月5日、 阿弥陀如来来迎の練供養が行われています。(弘法寺では、踟供養と表記されているので、ここでもその表記を使います)

昨年、こちらに参拝し、本当に感動しました。

こちらのポイントは次のとおり。
○木造の阿弥陀如来像の中に、地元出身の男性が入り、お迎えしてくださる。いわゆる迎講阿弥陀如来で、現存するのはおそらくここだけ。
○中将姫様をお迎えするときの菩薩さまの動きがとても繊細でエレガント。「動の當麻寺」に対し、「静の弘法寺」と呼ばれるのは、このためか?
○火災で一時断絶されていた踟供養を関信子先生の研究と尽力、地元の方々の熱い意志で再興された!
○登場される菩薩さまは6尊の観音さまと2尊の地蔵さま。いわゆる二十五菩薩のラインナップではない。
○塔頭の遍明院と東寿院が毎年交代で主な責任を負う関係で、出発寺院が毎年交代される。今年は下の東寿院から坂の上の遍明院へとのぼるコース。

関先生が書かれた論文より、現在の踟供養の式次第について書かれたページを貼っておきます。

今年、踟供養に行かれる方、お気をつけて!

なにより、毎年、この素晴らしい伝統をお守りされている地元のみな様に尊敬と感謝を申し上げます!

追記 遍明院には平安時代の穏やかな五智如来、東寿院には快慶阿弥陀如来像もおられます。ぜひ拝観を!


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2016年4月21日 (木)

韓国国宝菩薩像(国宝78号)と中宮寺菩薩像、同時公開が正式発表されたそうです

3月28日付で「韓国国宝菩薩像2尊と中宮寺菩薩像の3像が韓国と東京で公開」という「スクープ記事」への不信感を書きました。

昨日、これに関して、正式な記者発表があったそうです。
http://www.museum.or.jp/modules/topNews/index.php?page=article&storyid=3799

とはいえ、やはり韓国国宝仏2躯の同時公開は行われないようです。それはいくら何でもムリだと思いましたよ!
FACTA さん、反省してください!!!
仏像に関する用語の使い方もあやしかったし、へたなスクープはやめてほしい!!! 

と、苦言はここまで。


要するに、中宮寺菩薩像と韓国国宝菩薩像1尊の同時公開は正式決定したのです!
ヒヨドリはとてもうれしいです!!!

仏像を政治の手段にすることには大反対。
でも、両国の友好と理解のきっかけになれば、こんなにうれしいことはありません。

韓国のみなさん、中宮寺の菩薩さまにハート撃ち抜かれちゃってください。

はらぺこヒヨドリ♪

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韓国国宝菩薩像(国宝78号)と中宮寺菩薩像、同時公開が正式発表されたそうです

3月28日付で「韓国国宝菩薩像2尊と中宮寺菩薩像の3像が韓国と東京で公開」という「スクープ記事」への不信感を書きました。

昨日、これに関して、正式な記者発表があったそうです。
http://www.museum.or.jp/modules/topNews/index.php?page=article&storyid=3799

とはいえ、やはり韓国国宝仏2躯の同時公開は行われないようです。それはいくら何でもムリだと思いましたよ!
FACTA さん、反省してください!!!
仏像に関する用語の使い方もあやしかったし、へたなスクープはやめてほしい!!! 

と、苦言はここまで。


要するに、中宮寺菩薩像と韓国国宝菩薩像1尊の同時公開は正式決定したのです!
ヒヨドリはとてもうれしいです!!!

仏像を政治の手段にすることには大反対。
でも、両国の友好と理解のきっかけになれば、こんなにうれしいことはありません。

韓国のみなさん、中宮寺の菩薩さまにハート撃ち抜かれちゃってください。

はらぺこヒヨドリ♪

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