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2017年3月22日 (水)

小諸市・十念寺の二十五菩薩来迎会~極楽鳥や不動明王、毘沙門天も登場(後世に伝えたい!)~

浅間山をのぞむ長野県小諸市平原地区、十念寺(時宗)には、二十五菩薩来迎会(らいごうえ)が伝わります。

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(春霞の浅間山、かろうじて見えますか~?)

小諸市の「郷土伝統芸能のつどい」というイベント(会場は小諸市民会館)で、この来迎会の短縮版が披露されると聞き、出かけてきました。

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「西の當麻寺、東の十念寺」。このイベントで、そのような紹介がなされました。
十念寺の来迎会は奈良県・當麻寺と並ぶ、東西の双璧だというのです。

しかしながら、十念寺は戦後(1949年)の火災でお堂が消失。幸いにも菩薩面は焼けずに残りましたが、来迎橋をかけた本格的な練り歩きはできなくなったそうです。

来迎会保存会はこの貴重な伝統を守ろうと、年に一回(毎年3月27日)、お面を出して念仏講を行うほか、平成23年には上田市小泉の大日堂のご開帳時に出向いて、練供養を行ったそうです 。

市や保存会に話を伺う中でわかったのですが、実際に十念寺の菩薩さまが練り歩く機会は、本当に限られているようです。
小泉大日堂のご開帳は半開帳を含め、30年に一度。小諸市の「郷土伝統芸能のつどい」は5年ごとの開催です。 市民会館のイベントへの出演とはいえ、この機会が大変貴重なものであることがわかります。

今回披露された十念寺の練供養は、以下の構成になっていました。

1) 極楽鳥の舞

2) 天人の舞

3) 二十五菩薩の登場(先頭が不動明王、最後尾が毘沙門天。阿弥陀も菩薩の列に)

4) 観音勢至が行者を引接

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さて、これまで見てきた他の二十五菩薩来迎会と比較しつつ、十念寺の来迎会の特徴をみていきます。

○極楽鳥と天人の舞で浄土を表す

まず、二十五菩薩がお出ましになる前に、極楽の鳥二羽が登場し、それぞれ対をなす動きで舞いながら練ります。 続いて、天人が二人、やはり対をなす動きで舞いながら練ります。 極楽鳥と天人の動きには、静かでリズミカルな火炎太鼓の伴奏が伴います。 これは二十五菩薩の登場の前に、極楽浄土を再現したもので、十念寺独自のものだそうです。 極楽鳥の衣装と機敏な動きに胸が高鳴ります! 実は私、迦陵頻伽のファンなのです。そういえば、大阪・大念仏寺の練供養では、迦陵頻伽の舞がありますね。

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○不動明王と毘沙門天が登場!

極楽の鳥と天人が去った舞台に、ついに二十五菩薩が登場します。 多くの練供養では、観音勢至が先頭かと思うのですが、なんと、十念寺では、不動明王さまが先頭に立って歩きます! 大きな火炎光背を背負い、剣を握りしめていました。驚くのはそれだけではありません。二十五菩薩の最後には毘沙門天さまが登場します。 不動明王と毘沙門天が菩薩の警護役を務めているのでしょうか。大変珍しいと思います。

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○阿弥陀如来さまも登場! 

二十五菩薩の列の真ん中辺りに、放射線状の光背を背負い、菩薩さまとは異なる装束の方が登場されます。それが阿弥陀如来さまです。このように人が阿弥陀さま演じるのは、岡山・弘法寺の迎講阿弥陀如来をのぞき、あまり例がないと思います。

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○菩薩に付き添い人なし

菩薩さまだけではなく、極楽鳥も天人もすべてに付き添い人がいませんでした。 お面をかぶると視界が悪くなるので、當麻寺を含め、他の練供養では、必ず誰かが菩薩さまの手を引いて助けます。しかし、十念寺では、そんな過保護なことはしません。みんな自力で、しかも身体を左右にふる動きを加えながら練り歩くのです!  

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○来迎引接を受けるのは行者

ステージの中央に置かれた小さな行者の像。それが来迎されます。當麻寺での中将姫様、美作誕生寺での法然上人ご父母像にあたるものです。

阿弥陀さまと菩薩たちが見守るなか、観音勢至が前に出て、独特の動きで行者を観音の持つ蓮台に載せます。

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この日は、この引接のシーンをもって終了となりました。

通常だと1時間20分かかるそうですが、今回は35分間のショートバージョンでした。

それでも、十念寺の練供養の素晴らしさと独自性はとてもよく伝わりました。感動しました。

「西の當麻寺、東の十念寺」という誇り高いフレーズも納得できました。

これから本格的に復興させて、後世まで末永く受け継いでほしい...。そう願っています。

十念寺は私にとって謎ばかりのお寺です。 小諸市平原地区まで歩いてみると、浅間山を見上げる静かな場所でした。 どんなお寺か一目拝見したかったのですが、残念ながら、Googleマップで住所検索しても出てこず、十念寺まではたどり着けませんでした。

私の調査不足もあるのかもしれませんが、十念寺の練供養についてネットで調べてもほとんど出てきません。いつどこで行われているのかも分からず、私にとっては「幻の来迎会」でした。練供養ファンにもあまり知られていないのではないでしょうか?

私は思うのです。 これを幻で終わらせてよいのでしょうか?

このような独自の練供養が信濃に残っていること。それをもっと多くの人に知ってもらえればと願いつつ、私はこれを書きました。

今回は、昨年末に市役所にメールで問い合わせたことがきっかけとなり、市役所経由で保存会の方に連絡できました。やっとのことで、「郷土伝統芸能のつどい」にたどり着けたのです。

書きながら、自分の情報不足、勉強不足を痛感しています。もし詳しい方がいらしたら、教えていただきたいです。

最後に一つだけ、二十五菩薩来迎会は「芸能」ではありません。美しい浄土系仏教の芸術だと思います。

※ビデオ撮影に夢中で、ろくな写真が撮れていません…。それだけが残念です。 写真よりずっと本物が素晴らしいです!

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