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2015年4月13日 (月)

会津・勝常寺の薬師如来坐像に圧倒される私(トーハクみちのくの仏像展にて)

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(写真はトーハクのサイトより)


   東京国立博物館「みちのくの仏像」展(2015年1月14日~4月5日)を2度観覧(というか拝観)した。

 小規模ながら、天台寺のなた彫りの観音様、成島毘沙門堂の伝吉祥天、小沼神社の観音像、円空仏など、見どころ満載の展覧会だった。

 しかし、私は勝常寺の薬師如来さまの前から一歩も動けなくなってしまった。

 世界にどれだけ立派な男性がいたとしても、目の前のたった一人の人に心を奪われて動けない、そんな感覚。いや、そんな陳腐な表現ではまったくもって物足りない。いったい何なのだろう、私の胸を激しくつかむものは。

 勝常寺の薬師如来坐像は、とにかくお体全体がどっしり、ボリューム感たっぷり。頭のらほつもお顔つきも安定感がある。

 施無畏を差し出す右の腕が少しだけ衣からのぞくのだが、その腕がまた太くて力強い。

 力強いだけではない。美しさも半端ない。ゆっくりとドレープを描く衣文はその流れの最後に左足に巻き付く。その巻き付き方のあまりのチャーミングさに胸が弾む。

 ここまで絶対的な安定感と美しさを示しているのに、左手のあの薬壷の持ち方は何なのか。斜めに下げた手のひらにちょこんと薬壷を載せているだけではないか。まるで「ほら、さっさと飲みなさい」と薬壷ごと患者に放り投げるかのようだ。

 ぐたぐたと書いてしまった。

 一言でまとめるなら、絶対的な安定感と美しさと若干のやんちゃさを合わせもった、薬師の中の薬師だと思う。

 徳一上人が作らせたという、都ぶりのするお姿。会津の厳しい自然の中を生きる人々をどれだけ励ましたのか―――浅学の身には想像さえしかねる。

 けれど、私自身はとてつもなく励まされた。恋に落ちて、救われたとも言えるかも。南無薬師如来とはこういう心境を言うのだろうか。

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