自分ではない誰かのために祈る幸せ~さだまさし”献灯会”~
7月の暑い週末の夜、自宅で晩ご飯をいただいた後、そのまま居間で眠ってしまった。
夜中に目覚めると、食器やお鍋は汚れたまま。しかたなく、起き上がり、景気づけにテレビをつけてみた。
ちょうど歌手のさだまさしさんが生放送でおしゃべりするという番組が放送中で、私はこの番組をつけたまま、のろのろとキッチンを片付け始めた。
テレビの内容はほとんど覚えていない。
しかし、さださんがある歌をギター一本で歌い始めたとき、その歌の一節が、眠たい私の心に大きく響いた。
それはこんな歌詞だった。「♪南無観世音 あの人をお守りくださりますように」
この世知辛い世の中で、自分のためではなく、「あの人」のために祈る人がいる――。なんというか、私たちの心の美しさに気づかされる瞬間だった。
メロディーも明るくて、仏様にすがるという重たい感じがしない。仏様とのご縁に感謝するように「南無観世音」と唱えるところが、私の信条にも合致する。
翌朝、目覚めたとき、まだ歌の余韻が残っており、さっそくダーリンに話してみた。
「さだまさしの曲で感動しちゃったのよ。観音さまに『あの人をお守りくださいますように』って歌詞なのよ」
そう話すつもりが、この歌詞を口にする途中で、不覚にも涙ぐんでしまった。
だから、その続きまで話せなくなってしまった。「私もいつも、あなたのことを思って祈っているのよ」と言いたかったのだが。
結論。この歌のように、自分以外に幸せを祈りたい誰かがいる私は、幸せです。
追記: この歌は、さだまさしさんが、東京都中野区沼袋にある百観音明治寺さまのお祭り、「百観音献灯会」について歌ったものだそうです。明治寺の境内には180余りの観音像がおまつりされており、献灯会では、参拝者が観音様にろうそくをお供えするのだそうです。きっとすてきな光景なのでしょう。私もいつかお参りしてみたいです。なお、私のダーリンはまさしファンです(コレハ不要な情報デシタネ^^;)。
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