はらぺこヒヨドリの2013年展覧会ランキング
僭越ながら、当方の2013年展覧会ランキングを。多くの仏像さんを間近で拝せる機会に感謝! 学芸員、出展者など、関係者の皆様にお礼申し上げます。
1 「當麻曼荼羅1250年記念 特別展 當麻寺―極楽浄土へのあこがれ―」
@奈良国立博物館
(pdf) http://www.narahaku.go.jp/news/download/taimadera_press.pdf
講堂でいつも気になっていた妙憧菩薩さまを360度拝観できたあと、圧倒的な勢いで仏像がずらり。導き観音さまに吉祥天さま…。さらに、練り供養関連が続く。奥の院の25菩薩像、中将姫像、菩薩面など、またずらり。とにかくすごかった。消化不良である。
2 「極楽へのいざない 練り供養をめぐる美術」
@岡山県立美術館
http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/exh_gokuraku.html
練り供養の決定版ともいえる内容。各地で行われている練り供養の様子が紹介され、自分にとって謎だった点がだいぶ理解できた。図録も従来の型を破る斬新なスタイルで分かりやすい。浄土双六を体験させてもらったが、これが非常におもしろかった。 あと、阿弥陀さまの白毫ビームも浴びた(板彫りの阿弥陀さまの後からライトを当てて、穴の空いている白毫部分から光が出ているように工夫した展示がありまして…)。
3 「仏像半島―房総の美しき仏たち―」
@千葉市立美術館
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2013/0416/0416.html
房総半島は仏像半島だったということを実感させられる展覧会。七仏薬師さまの円形展示は圧巻で、夢に出たぐらい。その他、あまりにすごすぎてコメント不可能。
4 東京国立博物館140周年 特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」
@東京国立博物館本館特別5室
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1556
両面宿儺(りょうめんすくな)像など。2011年秋の埼玉の円空展より、密教的な色彩が強かったのかな。円空の匠、ここにあり。
5 韓国ソウル 国立中央博物館平常展および特別展「神衆-仏教の守護神たち」
http://www.museum.go.kr/main/index/index004.jsp
諸事情あり訪韓。夕方到着して、夜間拝観へ直行。憧れの弥勒菩薩思惟像のほか、美しい観音菩薩坐像や温かみのある薬師如来などを堪能。人気のすくない館内で写真動画を取りまくり。特別展も日本との違いが見られて興味深かった。日韓友好への願いを込めて、あえてサントリー「飛天の美」の上にランクイン。「韓国」「仏像」とググるとあまりに感情的な書き込みばかりで残念。
6 「天井の舞、飛天の美」展
@サントリー美術館
「平等院は私にとって特別な存在!」 「飛天や迦陵頻迦(かりょうびんが)が好きなのは、きっと野鳥も好きだからだわ!」。などと気分上げ上げになった展覧会。2000年に上野に雲中供養菩薩さま全員がいらっしゃった展覧会とどうしても比べてしまうけど、今回の展覧会は「飛天」という脇役にフォーカスして、時代順に追っていくという画期的な内容だったと思う。新しい模刻の供養菩薩さまに直接触れて結縁できたのは一生の思い出になるだろう。平等院住職の熱い思いが図録に記載されている。私は平等院リノベーションを応援したい。
7 「山梨の名宝」
@山梨県立博物館
http://www.museum.pref.yamanashi.jp/3nd_tenjiannai_13tokubetsu002.html
大善寺薬師三尊、瑜伽寺(ゆかじ)の十二神将、福光園寺の吉祥天、宝珠寺の大日如来と四波羅蜜菩薩坐像、放光寺の愛染明王など。この展覧会が始まる少し前に放光寺をお参りしたとき、天弓愛染明王さまをこの展覧会のため山梨県博に搬出する作業の真っ最中だった。ちょうどこの愛染さまの模刻像も収蔵庫内に持ち込まれていて、オリジナルと模刻の両方を見比べることができたことも思い出深い。
8 「倉敷仏教寺院の至宝」
@倉敷市美術館
http://www.city.kurashiki.okayama.jp/item/63059.htm
宝島寺仏頭など。古来から現在まで倉敷の仏教文化レベルの高さを実感。写真展示ではあったが、等身大の毘沙門天がコーラス団のように並ぶ安養寺の存在を知り、絶句。いつかお参りできるかな。
9 藤田美術館2013年秋季特別展「美しき日本」
@藤田美術館http://fujita-museum.or.jp/index.html
快慶さんの地蔵菩薩立像にお会いできて幸せ。
10 倉敷 大原美術館
一光三尊の石仏とエルグレコの受胎告知に感動。
次点
「やまとぢから」薮内砂斗司展(奈良県立美術館)
薮内研究室の修理による仏像がとてもよかった。浄瑠璃寺の秘仏大日如来(←この方にお会いしたく訪れました…)、新薬師寺の地蔵さま、善光寺の阿弥陀如来立像など。
「東大寺」展(金沢文庫)(快慶地蔵菩薩立像が大大大好き。大仏殿の広目天を快慶が作ったことを示す図面に感動!
「ラフェエロ」展(国立西洋美術館)(ラファエロの聖母子像に癒しを感じる)
「ウィリアム・モリス」展(東京 府中市美術館)。
※ お寺の境内で開催された展覧会(薬師寺水煙展など)はランキングから除外した。(この水煙はとにかく泣けた。感想はまた別の機会にアップできれば)
| 固定リンク
コメント