« 白洲正子展おまけ: 「私って正子並の目利き?」と勘違いさせてくださった十一面観音立像 | トップページ | 楊柳観音さま、ごめんなさい(奈良・大安寺) »

2011年11月 3日 (木)

優美な大日如来さま、八王子にあり!@龍見寺

Photo_2

Photo_3

訪れた日:     初拝2010年11月5日(その後、2011年、2012年、2013年のご開帳時に参拝、2015.1 多摩仏研参拝、2016.11.1、2017.10.31、2018.10.20参拝
お会いした仏さま: 大日如来坐像(東京都八王子市の龍見寺)

 藤原時代の香りが漂う大変美しい仏さまである。今まで拝観しなかった自分に喝を入れたくなるほどだ。像高88.5センチ。寄木造、漆箔、玉眼(造立当初は彫眼)。
 吾妻鏡によると、八王子に住んでいた武士集団、横山党の横山経兼が1062年、源頼義に従って奥州の阿部貞任を打ち、手柄を立てたことから、奥州出羽三山のひとつ湯殿山の本地仏である大日如来を勧請したと伝えられる。
 大日如来さまを現在おまつりしている龍見寺は1598年に開山。大日如来さまは龍見寺創建のずっと前から、この地域で大切に守られてきたと考えられている。
 興味深いことに、龍見寺は曹洞宗の寺である。普通なら大日如来はおまつりしない宗派だ。住職の話によると、この寺では、このお像を釈迦如来の一つの形としておまつりしてきた過去があるとのこと。その証拠に、江戸時代に造られた普賢、文殊両菩薩を両脇に従えて座していらっしゃる。真言宗の人は驚くかもしれないが、少なくともこの龍見寺ではとてもよい感じの三尊となっている。それがとても不思議だし、なんだか嬉しい。(後日追記 もちろん今では大日如来と認識しておられる。住職と檀家のおばあちゃまが「だいにっつぁん」と呼んでおられるのを聞いた。とても優しい呼びかたではないか!)
 また、大日如来さまの光背は、優雅な大日如来像とは異なり、激しい表現となっているので、おそらく後補のものではないかと考えられているそうだ。
 多摩地域で平安後期の優美な大日如来さまといえば、日野市高幡不動尊の大日如来さまが思いつく。しかし、高幡の大日さまは傷みが激しく、近年の修理で、後補の金箔や飾りが取り払われてしまったこともあって、造立当時の優美さは私たちの想像に委ねられてしまっている。
 一方、龍見寺の大日さまは、後日の修理で彫眼になったりしているものの、金箔がよく残っており、造立当時の美しさと強さが強く感じられる像となっている。多くの方に拝観していただきたい仏さまだ。

追記: 2011年11月1日、再訪。今回も魅了される。藤原らしい優美さを持ちながらも、両腕のあたりの肉付きのよさは運慶に似ていると思った。柔和で優雅で凛々しい。

追記2: 普段は基本的に秘仏。一般公開日は例年、東京文化財ウィークの水曜か木曜あたり。

追記3: 京王線めじろ台駅からバス「ゆりの木台」方面行き、「和田」下車、徒歩5分。京王線狭間駅から徒歩でも。お寺に行く途中にちょろちょろと流れている川の名は「湯殿川」。湯殿山ゆかりのこの大日如来さまに由来するのでしょうね、きっと。

|

« 白洲正子展おまけ: 「私って正子並の目利き?」と勘違いさせてくださった十一面観音立像 | トップページ | 楊柳観音さま、ごめんなさい(奈良・大安寺) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 白洲正子展おまけ: 「私って正子並の目利き?」と勘違いさせてくださった十一面観音立像 | トップページ | 楊柳観音さま、ごめんなさい(奈良・大安寺) »