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2010年8月17日 (火)

急にブーム到来?東京都青梅市・安楽寺の軍茶利明王さま

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お会いした日: 2010年8月14日(土)
お会いした場所: 安楽寺の軍茶利明王堂
お会いした方: 軍茶利明王立像(造高297センチ、寄木造り)

 8月14日は東京都青梅市・安楽寺の軍茶利明王像の年に一度のご開帳の日。電車と不便なバスを乗り継いで出かけた甲斐は十二分にあった。その理由は以下のとおり。

(1) <かっこいい!> 第一の理由は、とにかく軍茶利明王さまがかっこいいこと。写真で拝見していた以上に胸板が厚く、どの腕も太くて長くて、乙女心を締めつける。真っ赤な口からのぞく白い牙。まん丸に大きく見開いた両目は力強いが、若干ユーモラスでもある。力強くてユーモラスとは、モテ男の条件ではないか。下半身がバランス的に短めだが、地方仏の素朴さが出ていて好感がもてる。

(2) <高幡不動さまとご兄弟?> この軍茶利さまの特徴、どこかの誰かと似ていないだろうか? 私は東京都日野市・高幡不動尊に伝わる平安後期の丈六の不動明王坐像および二童子像との近似性を感じていた。
 どこにも誰も書いていないかもしれないが、私は素直に自分の思いをここに吐露したい。それは、「この軍茶利明王さまを造られたのは、高幡不動のお不動さまと同じ仏師ではないか?」という仮説である。私の大大大好きな高幡の不動三尊はとびっきり力強くて、地方仏らしい素朴さもある。安楽寺の軍茶利さまを間近で拝見しているうちに、そんな高幡不動さまと同じ匂いを感じたのだ。京都・神護寺の五大虚空蔵菩薩像と大阪・歓心寺の如意輪観音さまとに近似性を感じるのと同じ感覚である。
 お不動さまと脇侍の二童子像は別々に造立されたと考えられているが、そのどちらかの作者が安楽寺の軍茶利さまも造られたのではないだろうか?

(3) <仏像本で急にブーム到来? お坊さまと楽しい会話!> 軍茶利明王堂で拝観者を受け入れてくださった若いお坊さま。とてもきさくにお話してくださった。お坊さまは私に、仏像が好きなのか、どうやって安楽寺を知ったのかをお尋ねになった。
 なんでも、お坊さまのお話によると、毎年8月14日に開帳しているものの、近所の人がぽつぽつとお参りにみえる程度だったらしい。それが今年になって急に問い合わせが増え(1日20件なんて日もあったらしい)、14日当日も朝からグループや神奈川方面からの見仏人がやって来たというのだ。
 お坊さまとの話で見えてきたのは、学研から昨年秋に発行された『東京近郊 仏像めぐり』という本の影響である。この本に写真入りで軍茶利さまが紹介されているのだ。私も今年に入ってから、Twitterでこの本と安楽寺さんのことを知ったばかり。
 お寺では、この本をご存知ではなかったとのこと。急に問い合わせが増えたので、「どうしたんだろう」「ブームが来たか」と首をかしげていたらしい。数年前に取材の人が来て写真を撮影して帰ったが、そんなのは忘れていたとおっしゃっていた。
 おそるべし仏像本の影響力! 学研さん、すぐに安楽寺さんに数冊を贈呈するように!

 安楽寺さん、私のような見仏人を温かく迎えてくださって、ありがとうございました! お譲りいただいた散華、大切にさせていただきます。

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コメント

貴ブログを拝見しておりますが、正直申し上げて、最近のトーンの方が好きですlovely
以前は学術的すぎて、仏像・仏教・歴史的に無知なわたくしにはムズカシすぎたのであります。今後も楽しい解説を期待しています。
で、三井には行ったの?

投稿: Yuka | 2010年8月19日 (木) 15時43分

コメントどうもありがとう! そうですか、最近少しぶっ飛びすぎだと反省していたのです。感動と史実をやさしい言葉でお伝えする努力が必要ですね。思えば、西村公朝さんの解説は易しくて、優しかったな~(うるうる)。賢いひとほど、易しく説明できるのですね、きっと。
三井の奈良の古寺と仏像展は、東京デビューの室生寺・釈迦如来さまが7月25日までだったので、その直前に行ってきました。東大寺の五劫思惟阿弥陀さまなど、心が「ほっくり」する仏像さんが大勢いらしてました。

投稿: はらぺこヒヨドリ | 2010年8月22日 (日) 01時59分

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