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2008年12月22日 (月)

快慶・白い雲に乗った地蔵菩薩立像~「対決‐巨匠たちの日本美術」展にて

お会いした仏像:   快慶作 東大寺公慶堂の地蔵菩薩立像
                   (13世紀初)(重要文化財)

お写真を見るには: http://www.asahi.com/kokka/masterpiece/10.html
              
飛んでください

お会いした日:    2008年8月16日

お会いした場所:  東京国立博物館「対決 巨匠たちの日本美術」展にて
                      (2008年7月8日~8月17日開催)

感想:         白い雲に乗って降りてくる。その動きが感じられる仏像。
             作者がどうの、切金がどうの、と言う前に、その動きを感じたい。

 以前に「一目で快慶と分かるところが快慶のすごさ」と書いたhttp://hiyodori-art2.cocolog-nifty.com/blog/cat6394580/index.htmlが、この作品も同じだ。いわゆる安阿弥様の作品である。

 このお像は下から見上げるのが美しい。
 地蔵菩薩さまの足元には、白い雲がもこもこと伸びている。雲の上の蓮華座はまさかの白。雲の色と同色にしたのだろう。白い蓮弁に描かれた緑青と金の模様も美しい。
 蓮華の上に、すくっと背筋を伸ばして立つお地蔵さま。
 左手には、軽々と錫杖を持っていたのだろう。右手には宝珠が残されている。
 衣はなんと金色で、しかも切金まで施されている。
 そして、一目で快慶と分かる、端正なお顔立ち。

 ここまでしつこく美を追求しながら、嫌味が感じられないのは、快慶だからこそなのだろうか。それとも私の単なる趣味なのか。

 形式ばった硬さを若干感じないとも言えないが、秀麗さと凛々しさをこれほどまでに表現できるのは快慶だけだろう。

 いやいや、つべこべ作品鑑定しているのはもったいない。この仏さまが白い雲に乗って、目の間に舞い降りてくださる瞬間を想像しよう!

 こんなに美しくて凛々しいお地蔵さまが降りてきてくださったら、どんなに嬉しいだろう。

~△~☆~○~△~☆~○~△~☆~○~△~☆~○~△~☆~○~△~☆~

<<おまけ>>

補足および「対決 巨匠たちの日本美術」展の感想

* この仏像が展示された「対決 巨匠たちの日本美術」展では、運慶と快慶の地蔵対決ということで、この仏像の隣に、運慶作の地蔵菩薩立像(六波羅蜜寺)が展示されていた。この運慶の地蔵菩薩坐像については、http://hiyodori-art2.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-c2f7.htmlで言及した。

* 運慶と快慶の地蔵菩薩像の展示場所は、展覧会の一番最初のスペースだった。それはまあいいのだが、なにぶん二つの像の展示場所が暗かった。しかも、仏像界のスーパースターの作品の割には場所が狭く、大勢の人であふれていた。お像の全身を遠めから眺めたかったのだが、かなり難儀した。

* 実は、この「対決 巨匠たちの日本美術」展には、私はあまり関心しなかった。日本美術の巨匠の作品を各分野から集めたのはすごいが、一つ一つの作品、一人一人の作者について理解を深めるにはあまりに散漫だ。テレビの音楽番組で、ヒット曲のサビだけを次々と見るような感覚だった。私は一人の歌手の歌をじっくりと聴く方が好きだ。マスコミは「傑作ぞろいですごい」という論調だったが、私は逆にもったいないと思った。伊藤若冲を曽我蕭白と並列に扱うのもやめてほしかった。

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コメント

 自己コメントにて失礼します。
 今、この「快慶作 白い雲に乗った地蔵菩薩」さまが、奈良国立博物館の常設展に出ております。
 この説明に、「足柄の銘により法橋快慶の作と判明。来迎形の地蔵菩薩だたが、現在の台座は転用」と書いてありました。
 つまり、白い雲は、どこか別のところから持ってきたものらしい。私としては、台座も快慶作なのかどうかが気になります。

 また、奈良国立博物館では、この地蔵菩薩の向かい合わせに、快慶の弟子「栄快」作の地蔵菩薩立像(滋賀・長命寺)(1254年)が展示されていました。繊細さと華麗さ、前
傾した姿勢、衣の切金、一つの足に一つの蓮を踏むお姿から、私の中の快慶メーターがふれたのですが、弟子の作品であるとのこと。快慶とその弟子との違いを見分けるのは、今後の私の課題となりそうです。

投稿: はらぺこヒヨドリ | 2009年10月28日 (水) 23時11分

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